2013年10月31日木曜日

ブラックココアパン(パート2)


ブラックココアパンを焼き始めて3ヶ月以上経ちます。その間、試作を重ねましたが、これぞというものがなかなか作品として迫ってきません。

どう見てもフルーツケーキ、パウンドケーキの印象が前面に出てしまいます。そうなりますと、味の点では砂糖やバターの濃密な食感にはとても及びません。

思い切って柔らかい生地に仕立てました。パンですからパンらしく、ソフトで穏やかな食感に・・・・・。

今回は、サークル型で焼いてみました。ケースに収める時には、少々柔らかすぎてハプニングが。でも、大丈夫、ものさしを利用するとすんなり収まりました!

ついつい手が伸びて何枚でも食べてしまいます。次回「パート3」はどんな形にしようかな?


2013年10月26日土曜日

スミット


随分前の話ですが、トルコのごまのリングパンに出会い、帰宅して早々に焼いてみました。その頃はスーパーで「洗いごま」が販売されていましたが、今では「炒りごま」ばかりで、田舎の道の駅で時折見かけるくらい。いざ、スミットを焼こうと思い立ってもなかなか入手できません。

炒りごまでは不可能と思いつつ作ってみましたが・・・・。洗いごまはローストしていませんので平たくパン生地にピタッと張り付きますが、炒りごまは丸々で生地との接点がごく僅かです。その為ポロポロ外れてしまいます。

このリング型は2つ編みして閉じるのではありません。「ねじりを入れながら編む」のです。それできれいな円になるのです。見ただけでは解りにくいかもしれませんね!昔の人が縄を綯うと言ったあの方法です。

トルコでは自転車の後部にリヤカーを付けてスミットを販売というのが一般的です。リーンなパン生地と思って食べましたら思ったより甘く、香ばしくどこへ行っても黒ではなく白ごまで、大きさや中央の円も大小なく揃っていて。

でも、現地の購入者は手で返しながら選んでいます。よく見るとしっかり焼き色が付いているのを求めているのでした!リングの形は永遠に終わりのない幸せを意味するそうです。



2013年10月19日土曜日

ばらの花パン


「このパン、ばらに見える?」と夫に声掛けましたら、いつもの事ながら 「う~ん、チューリップには見えないよ!」と即答あり。いかがでしょうか?

手元にある芋あんでは目立ちませんから、急遽ほうれん草パウダーをミックスしました。青いばらパンです。ほうれんそうPは抹茶より色がとびません。

パン生地は、全卵よりも卵黄だけを入れますと柔らかくしっとりとします。焼成温度も少し低めに設定、焦げ色は薄めの方があんが引き立ちます。かと言って発酵がきちんと出来ていませんと、10分そこそこの焼成では火が通らず、ねちゃ・・とした食感になってしまいます。

長年パン作りをしていますが、作るたびに発見があります。まず、焼き立てを食べ、冷めてから食べ、翌日に食べて、冷凍後に食べ・・・・この4回を繰り返しています。試食時は舌の感覚が冴えている時を選びます。唐辛子などは舌の感覚が麻痺されそうで、半世紀も敬遠中。

こんな花を作っては遊び、食べても美味しいのでぬくもりのある内に友人にお届けしました。

人に差し上げて喜ばれる幸せは、人から頂くよりも数倍の幸せが得られると古代哲学者が教えてくれていますね!




2013年10月13日日曜日

ライ麦(50%)パン


今でこそライ麦パンは「健康に良い」と言う事でもてはやされていますけれど、その昔、白いパンが高価で入手出来ず、貧しい人々はやむなく食べざるをえなかったそうです。

パンを作る私たちは、パンの歴史について知るという事も、心をふくよかにしてくれます。ナイル川の両岸には今もナツメヤシがたわわに実っています。その実が偶然にも落ちて、小麦粉が発酵しパンが・・・。紀元前数千年前のことです。カイロ博物館には、王の為にパンを捏ねている女性像もありました。

今回はライ麦と最強力粉を半々にしてみました。出来ればライ麦の10%は、ライサワー種を乾燥させ粉末状にしたものを加えますと天然酵母風の味が楽しめます。

このライ麦パンを25%のものと比較しますと、重くずっしりした、その分ふくらみの少ないパンになります。が、ライ麦の好きな方にはたまらなく美味しく思われるでしょう!くるみやドライフィグを混ぜてもこの上なく美味。

ライ麦パンは「間違っても熱いうちに食べない事・・・」とドイツの本に書かれてありましたが、その通りです。

写真はなま生地600gをコルプ型丸に、残り生地を楕円で作りました。

2013年10月9日水曜日

全粒粉(100%)パン



国内産の全粒粉は、かすかな甘味が舌に漂う。栄養素を豊富に含んだこのパンは、手作りパンの世界では地味ではあるが、長年人気は継続中。一般には強力粉と合わせて捏ねますが、今回は100%使ってみました。

全粒粉は少しばかり保持するグルテンを、ふすまや胚芽の固形物によって砕かれてしまいますから、ふくらみが気になりました。

でもでも、レモン汁を混ぜる事によりグルテン構造を強め釜伸びの良いパンができました!レモン汁はクエン酸もかなり含有していますので、クープは無理です。

パン屋さんは大量に生地を仕込みますから、ビタミンCの粉末を使いますが、家庭では計量しようも無いほどの少量ですから、手軽にレモンで代用しましょう。

素朴で香ばしい味と香り、キメも細かく,噛み応えのあるパンです。しっかり冷めてから薄くスライスしてトーストしたり、ジャムをトッピングしたり、野菜サンド・・・この
時はジャーマンマスタードをお忘れなく。


2013年10月7日月曜日

葱餅(ツォンピン)


中国の葱餅は、ごま油、塩、葱この3つの組み合わせが見事です。規格外の葱をたくさん戴くことがありますが、そんな時には生地が見えないくらい散布して巻き込んでしまいます。細くて青い葱ですが、今回は白くて太い葱も刻んでミックスしました。

こね方もサッと済みます。寝かせる時間も20分~。焼きあがるまでに1時間もかかりません。おやつにも軽食にもなります。

中国のパイは生地をねじって層を出します。この時、多めに打ち粉を使って下さい。一般的には粉っぽくなりますので控えるのが当然ですが、こちらのパイは違います。打ち粉のために層と層が離れパイ風に仕上がるのです。

塩加減が大切ですが、少なめになってしまった時は、テンメンジャンを少し塗ってお召し上がりを。


2013年10月1日火曜日

オリーブオイルのデニッシュ


デニッシュパンは大好き・・・と言う方が多いのですが、手作りを始めますと、そのロールインバターの量に驚いてしまいます!「知らない内はパクパク食べていたのにねえー」と先日も若い生徒さんが話されていました。

オリーブオイルでは無理がいく事重々承知の上ですが、試みてみました。伸ばした生地にはみ出ない程度にオイルを塗ります。クレイジーソルトを振り3つ折を繰り返していきます。

粉チーズを散布するのも悪くはありませんが、ノアのレシピにはすでにデニッシュ風チーズパンが存在。アーモンドダイスも散布してみましたが、やはり層を大切にしたいのでシンプルに。

オリーブオイルパンは、クレイジーソルトの味を最大に生かしたリーンなパンと言えましょう。焼成前に艶出しを!刷毛でオリーブオイルを多からず少なからず丁寧に・・・。冷めてから頂く時は、軽くローストしてからどうぞ。